ごあいさつ
理事長 入澤 亨
平成29年、公益社団法人日本専門新聞協会は創立70周年を迎えました。時代が令和に替わったいまも、協会は将来に向けて確実に歴史を積み重ねていくことになります。
その長い歴史を顧みますと、先人の労苦は如何許りであったろうかと思います。
簡単に協会の70余年に及ぶ歴史を振り返りたいと思います。
戦後の荒廃とした社会経済の混乱期に新聞用紙の確保と公平な配給を目的に、協会は任意団体「第一新聞協会」として昭和22年に創設され発足しました。昭和27年には当時の文部省から社団法人として設立の認可を受けることになりました。その後、一般紙をもって構成される「日本新聞協会」との対比から改称の機運が高まり、昭和36年「社団法人日本専門新聞協会」に協会名称を改めました。
専門紙の立場に立脚した協会独自の「新聞倫理綱領」を公表すると共に、専門紙の社会的評価が高まるのと時を同じくして、昭和37年には皇室主催で春・秋2回開催される「園遊会」、総理大臣主催の「桜を見る会」にそれぞれ招待される光栄に浴することができました。爾来、毎年その機会をいただいて今日に至っています。さらに栄誉関係では、叙勲30名、褒章17名、文部大臣・文化庁長官章16名の方々が今までに受章されたことは協会として大変名誉なことであります。
これは先人のたゆまない努力と研鑽、ならびに専門新聞に対する評価の賜物であると思います。
そのなか協会70余年の歴史で特筆すべきは、平成24年、公益社団法人として内閣総理大臣から「認定書」が交付され、「公益社団法人日本専門新聞協会」として新たに発足致したことではないでしょうか。ご承知の通り、公益法人制度改革では各公益法人は公益の増進という高い志を礎に、法人の設立理念に則って自立して、自立性を十分に発揮して運営していくことが求められることになりました。
協会が我が国のメディア集団としては日本記者クラブに続き、数少ない「公益法人」の認定を受けることが出来た要因は、私達が産業・経済・教育・文化の幅広い分野のそれぞれの動向を専門的に分析し、そして報道し論評することで、国民生活の向上や産業経済の発展に寄与してきたことが大きく貢献したものと思われます。
公益の観点からは協会は、国会と国土交通省に独自に設置しています記者会での取材活動の支援をはじめ、毎年秋に行われます新聞週間の「日本専門新聞大会」に於いては、各界を代表する著名人による講演会の実施や専門新聞写真コンクールの優秀作品の表彰などを行うほか、専門情報の提供や新春の講演会の開催、各種セミナーなどを毎年公益事業として実施し展開をしています。
今後も国民の皆様、読者の皆様、あるいは協会加盟社の社員の皆様のために、公益活動の一層の充実を図り、専門新聞業界のさらなる発展のためにさらなる努力をして参りたいと思います。
協会加盟社による総読者数は1200万人を擁し、我が国では大変大きなメディア集団を形成するに至りましたが、専門新聞業界には凄まじいスピードで進化する情報通信技術の嵐が吹き荒れています。
時代はいま大きな変革期にあります。
先行き不透明で大変厳しい時代ではありますが、次世代の情報通信技術の活用による事業の展開次第では新たなビジネスチャンスとして捉える事になるかもしれません。協会も早期に時代の変革に合わせたサポート体制作りが喫緊の課題であると認識しております。
今後とも何卒、国民の皆様のご支援・ご協力を宜しくお願い申し上げます。